宮古に伝わるお酒の飲み方を指し、そのルールは独特で、効用も様々です。
(1)親お酒を飲む準備が整えば、次は親を決めます。その場の雰囲気で決まることが多いです。 親になった人は利き手にお酒を持ち、スピーチをします。初めて会う人たちで飲む場合、よく会う人たちで飲む場合、いずれにしてもスピーチをします。 初めての場合は、自己紹介や誘ってくれた人への感謝等が好ましいかもしれません。いずれにせよ、「楽しく飲みましょう」という気持ちが大切です。 スピーチの締めくくりは「一杯づつ回します」が大抵で、自然です。スピーチを終えたら、利き手にあるお酒を飲み干します。
(2)回す飲み干したグラスにお酒をつぎ、横の方に回します。時計回りか半時計回りかは、地域によって違うようです。 お酒をつぐ量は、親に委ねられます。なるべくならば、相手が大分酔ってる、お酒に弱い、等を聞く、または察しましょう。 お酒を渡す時には会話を交わしましょう、良い機会です。相手が飲み終わりましたら、グラスを受け取ります。 そしてお酒をつぎ、横の横の方に回します。と、いうように、順々に全員に回します。 人数が多い場合「2重回し」といって、親が同時に2人、2ヶ所から回すこともあります。 親が3人であれば「3重回し」というように、数が増えます。 なお、人数が多くなければやってはいけない、というルールはありません。ルールなんてものは、その時飲むメンバーで決めましょう。
(3)繋ぎ全員に順々に回すと、一周して自分の番になり、そして親が交代となります。 基本的には横の方(一番最初に親が回した方)となりますが、新顔さんに早めに親をしてもらい、早めに面識を深めるように気を回すと良いでしょう。 親が変われば、(1)に戻ります。以上です。
いろいろな人がいます。盛り上げ役や面白い人、気を使う人、静かな人。お酒を飲むと変わる人がいますが、これは判断が難しいところですが。 とにもかくにも、オトーリとは、通常よりも親睦を深めようとする要素の多い、そして人間関係の縮図を成すお酒の飲み方なのです。・・・・・・・by sakedau
オトーリ・ミニミニ知識
エピソード
(1)「私の気持ちはコップの底に入っています」と言ってオトーリをまわす人がいたそうな
まじめな人は全部飲み干したが、ある人は半分捨てて底の方だけ飲んで見せたらしい。
(2)数年前、オトーリ廃止運動なるものが発足しました。
某村議会で「オトーリは止めましょう」と廃止決議をした晩の慰労会でさっそくオトーリをまわしたそうです。
(3)酒を勧められた人が「このところ肝臓の調子が悪くてね、今日は遠慮します」と言ったら、
「飲み方がたらんからサー、もっと飲め、飲んだらよくなる」と言われたそうな。
(4)酒を勧められた人が「今日は遠慮しておくよ、車をもっているから」と言ったら、
「オレももってきて飲んでいるからおまえも飲め!」と言われたそうな。
(5)2番のエピソードで触れた某村議会、廃止決議をしたからにはオトーリを回せなくなってしまい、今では 「健康の泉を回します」といって回すそうです。
(6)世界最大の酒飲み会がNETで行われているそうです。
題して「NETオトーリ」、yahoo japan の掲示板で9000人以上の人が参加、今も回し続けている(;´_`;)そうです